自分の足で歩けるかどうかは、高齢者のQOLに大きく影響します。1人で歩ける場合は、日常生活に支障をきたすことはほぼないと考えられます。近所のスーパーマーケットへ買い物に行ったり、趣味のお稽古に通ったりなど、毎日の暮らしを活動的に過ごせることでしょう。しかし、1人で歩くことが難しい状態になってしまうと、途端に行動範囲が制限されてしまいます。外出する頻度がぐっと減って、家の中で過ごす時間が長くなります。歩行器を使って自力で歩ける状態なら、トイレに行ったり、別の部屋へ移動したりなど、身の回りのことは介助なしにできるかもしれません。歩行器の支えがあっても自力で歩けない場合は、車椅子を使うことになるでしょう。
車椅子での生活になると、QOLは一気に低下します。トイレに行ったり、お風呂に入ったりなど、身の回りのことに介助が必要になるからです。自分1人でできることが減少していくため、好きだったことにも興味を示さなくなるなど、意欲の低下を引き起こすおそれもあります。最悪のケースでは廃用症候群になって、寝たきりになってしまうかもしれません。寝たきりを防ぐためにも、足の筋力を維持することが高齢者にとっては重要なのです。
とはいえ、ハードな筋力トレーニングは高齢者の負担になりかねません。まずは、足を動かす体操や軽いウォーキングを取り入れてみましょう。その際は、転倒して骨折することがないように注意することも大切です。